鼠径部痛症候群(グロインペイン症候群)について
スポーツ時の股関節や足の付け根(鼠径部)に痛みや不快感を起こす症候群で、運動時のパフォーマンスに大きく影響することがあります。サッカー、陸上競技、ラグビーなど、特に下半身を激しく使うスポーツに多く見られます。
1. 主な症状
鼠径部周辺の痛みや違和感
動作や負荷によって鋭い痛み、鈍い痛みなどさまざま
運動時の痛みの増加
ジャンプや切り返し動作など、股関節にストレスがかかる動きで痛む
股関節の可動域制限
足を広げたり曲げたりする際に違和感や制限を感じる
痛みの放散
腹部や大腿部に痛みが広がる場合もある
2. 原因
筋肉や腱の損傷・炎症
股関節周りの筋・腱が繰り返しストレスを受ける
股関節の不安定性や過負荷
運動量が多い、フォームが崩れた状態でのトレーニング
筋力低下や柔軟性の不足
股関節を支える筋肉が弱い、または硬いことで負担が集中
3. 治療法
症状の程度や原因を明らかにしたうえで適切な治療を選択します。
1. 安静・運動制限
痛みが強い期間は、スポーツや負荷の大きい動作を控える
2. 理学療法・リハビリ
ストレッチ、筋力強化、協調運動などで股関節周りの機能改善を図る
3. 薬物療法
抗炎症薬や鎮痛薬の使用で痛みと炎症を抑える
4. 手術
- 長期間の保存療法でも改善がみられない場合に検討
- 退院やスポーツ復帰までの時間がかかることも
4. 予防と再発防止
運動前の十分なウォームアップ
股関節周囲の筋肉をほぐし、スムーズに動かせるようにする
体幹と下肢の協調運動
正しいフォームを身につけ、余計な負担を股関節にかけない
柔軟性と筋力のバランスアップ
下半身だけでなく体幹部も含めた総合的なトレーニング
休養の確保
オーバーユース(過度な使用)を避け、適度に休息をとる
加須市 栗橋駅にある「こばやし整形外科」
鼠径部痛症候群は運動時のパフォーマンスを大きく損なうだけでなく、痛みが長引くと日常生活にも支障をきたす場合があります。痛みや違和感を感じたら、できるだけ早期に医療機関を受診し、適切な治療と予防策を行うことが大切です。
当院では、医師の診察を通して、一人ひとりの症状や競技特性に合わせたリハビリや運動指導を行っています。鼠径部の痛みや股関節の違和感でお悩みの方は、ぜひご相談ください。