距骨骨軟骨損傷(足首の軟骨と骨が損傷する疾患)について
足首の距骨(きょこつ)にある軟骨および軟骨下の骨が剥がれたり損傷を受ける疾患で、足関節捻挫や外傷がきっかけとなることが多いです。進行すると骨軟骨片が関節内に遊離し、強い痛みや変形性足関節症を引き起こすリスクが高まります。
1. 主な症状
足首の痛みや腫れ
運動後、長時間立った後などに悪化しやすい
足首を動かすときの引っかかり感や音
「ポキポキ」「ゴリゴリ」と感じる
足首の不安定感、力が抜ける感じ
歩行やランニング中に足首がくじけそうになる
重度になると安静時も痛み、変形が進行
関節内に遊離体が生じ、強い痛みを伴うことがある
2. 原因とリスク要因
捻挫などの外傷
足首をひねる、強い衝撃を受けるなどで骨と軟骨がダメージを受ける
慢性的なストレス(スポーツ選手など)
繰り返し足首に負荷をかけ続ける競技や仕事
血流不全(骨軟骨への血流障害)
軟骨下骨が栄養不足になり、剥離しやすくなる
3. 診断と検査方法
問診と身体所見
捻挫歴や痛みの場所、足首の可動範囲などを確認
画像検査(X線・MRI)
X線で骨の変化を把握、MRIで軟骨の状態や損傷度合いを詳細に確認
病期分類(stage I~IV, あるいはVなど)
病態進行度によって治療方針が変わる
4. 治療方法
症状の重さや病期によって保存療法か手術を選択。軽度なら安静・リハビリで回復を促し、重度なら手術を要することが多い。
1. 保存療法(初期・軽度)
- 安静、アイシングなどで炎症を抑え、痛みを軽減
- インソールや装具で足首への衝撃を和らげる
- リハビリによる筋力強化・可動域訓練
2. 手術療法(stage II~IVなど中~重度)
- 関節鏡を使った骨軟骨片の除去・再固定や骨移植
- 約1~2週間の入院が必要になる場合も
- 手術後はリハビリ期間を経て日常生活復帰に約3ヵ月、スポーツ復帰には4ヵ月程度
3. 術後リハビリと経過観察
足首の動きや筋力を回復させ、再発を予防
定期的な通院・画像検査で経過を確認
5. 予防と日常の注意
足首の保護と正しいフォーム
スポーツ時のストレッチ、テーピング、適切な靴選び
捻挫や痛みを軽視しない
早めに適切なケアや受診を行い、損傷の進行を防ぐ
リハビリや筋力維持
ふくらはぎや足首周りの筋肉を強化し、負担を軽減
長時間の立ち仕事や激しい運動に注意
定期的に足首を休ませ、疲労や痛みが出たら早めに処置
加須市 栗橋駅にある「こばやし整形外科」
足首の痛みや捻挫後の違和感がなかなか消えない、運動時に足首が引っかかる感じがあるなどの症状がある場合は、距骨骨軟骨損傷が疑われます。当院では、丁寧な診察とMRIなどの検査で状態を正確に把握し、症状や患者さんのライフスタイルに合った治療法をご提案いたします。早期受診と適切な治療で、より良い回復を目指しましょう。