臼蓋形成不全について
股関節の骨盤側にある「臼蓋(寛骨臼)」の形状が不十分で、大腿骨頭を十分に覆えない状態を指し、股関節の安定性が損なわれる可能性があります。先天性股関節脱臼や胎児期の姿勢異常、遺伝的要因などが関与し、若年期には症状が出にくくても、加齢や体重増加で症状が進行するケースがあります。
1. 主な症状
股関節の痛みや違和感
歩行時や体重をかけたときに痛む
可動域の制限
曲げ伸ばしや開脚動作がしづらい
不安定感
大腿骨頭の支えが不十分なため、股関節がグラつく感じ
2. 原因
先天的要因
胎児期の発育異常や遺伝により、臼蓋が浅い形に形成される
出生時の姿勢や外的要因
出産時の股関節の状態や圧力
成長期の骨発達の不均衡
骨盤や大腿骨の成長バランスに影響がある場合
3. 診断方法
早期発見が重要で、乳児期や子どもの定期検診で検出される場合もあります。
身体検査
股関節の動きや音、左右差などをチェック
画像診断(X線・MRIなど)
臼蓋の形状や大腿骨頭の位置を把握し、重症度を判定
4. 治療と予防
初期段階の保存的治療
- 筋力トレーニングや体重管理で関節への負担を軽減
- リハビリテーションや姿勢の改善で症状進行を防ぐ
装具療法(乳児期)
股関節を正しい位置に保つ装具を使用
手術
重度のケースや症状の進行によって、臼蓋形成手術や人工股関節置換術などを検討
早期発見・早期対応
股関節の違和感や痛みがある場合、放置せず医療機関で診察を受ける
5. 生活の注意点
負担の大きい動作を避ける
深い屈伸や重い物を持ち上げるなど、股関節に過度な負荷をかける動作に注意
体重管理
適切な体重を維持し、股関節への負担を減らす
運動習慣
無理のない範囲でウォーキングや軽いストレッチを継続
加須市 栗橋駅にある「こばやし整形外科」
臼蓋形成不全は、年齢とともに股関節にかかる負荷が増すことで痛みや変形性股関節症へ進行する場合もあります。早期の発見・ケアが将来の関節トラブルを防ぐ鍵となります。もし違和感や痛みがある場合は、医療機関に相談しましょう。
当院では、医師の診察を通して、症状や生活状況に応じたリハビリや治療方法を提案しています。股関節の痛みや不安がある方は、お気軽にご相談ください。