膝離断性骨軟骨炎(骨軟骨が剥がれる疾患)について
膝関節内の骨と軟骨が一部剥がれ落ちる状態で、特に成長期の小中学生のスポーツ選手に多く見られます。大腿骨の内側に最もよく発生し、進行すると関節に「引っかかり感」や「ロッキング(動かなくなる状態)」が生じるのが特徴です。早期発見・早期治療で、将来の膝関節の健康を保ちやすくなります。
1. 主な症状
膝の鈍い痛みや違和感
運動後や長時間の負荷後に痛みが増す
腫れや熱感
膝蓋骨周辺が熱っぽくなり、腫れることも
引っかかり感やロッキング
骨軟骨片が遊離して関節内を移動すると、膝が動かしにくくなる
2. 原因と好発部位
成長期の骨・軟骨の脆弱性
骨が急激に伸びている時期は負担に敏感
繰り返しのスポーツ負荷
サッカーやバスケなどでのジャンプ、急停止、方向転換
大腿骨内側に約85%で発生
10歳代の成長期が最もリスクが高く、男性に多い
3. 診断方法
問診と身体所見
膝の痛みの位置、スポーツ歴、症状の出方を確認
画像検査(X線、MRI)
初期にはX線で分かりにくい場合もあり、MRIで軟骨の変性や亀裂を確認
関節鏡視下の直接観察(必要に応じて)
骨軟骨の亀裂、遊離片の大きさを把握
4. 種類と進行度
1. 非分離型
- 骨軟骨はまだ離断していないが、表面に亀裂や変性が生じている
- 安静や免荷(体重をかけない)で改善を図る
2. 遊離型
- 骨軟骨片が関節内に剥がれてしまう
- 手術で元の位置に再固定するか、摘出が必要な場合も
5. 治療方法
症状や損傷の進行度に合わせ、保存療法または手術療法が選択される。
1. 保存療法(軽度〜中度で非分離型が中心)
- 安静や運動制限、免荷指導
- 消炎鎮痛薬、理学療法、ドリリング(骨に刺激を入れ、治癒促進)
2. 手術療法(重度や遊離型の場合)
- 関節鏡下で剥離した骨軟骨片を再固定する
- 摘出が必要な場合もあり、同時に骨移植や軟骨修復を行うケースあり
3. リハビリテーション
可動域訓練と筋力トレーニングで膝周辺を強化し、再発を防ぐ
6. 予防と日常の注意
適度な練習量と休息
成長期の子どもは特に注意し、オーバーユースを防ぐ
ストレッチと筋力バランスの強化
大腿四頭筋やハムストリングなど、膝を支える筋肉をバランスよく鍛える
痛みや違和感が続く場合は受診を
放置すると変形性関節症へ進行する可能性がある
加須市 栗橋駅にある「こばやし整形外科」
成長期のお子さまが膝の痛みやロッキングを訴える場合、膝離断性骨軟骨炎が疑われます。当院では、検査や診察を通じて原因を特定し、症状の進行度に合わせた保存療法や手術療法をご提案します。スポーツや日常動作で膝に違和感がある方は、お気軽にご相談ください。