膝蓋骨脱臼(お皿の骨の脱臼)について
膝の皿にあたる膝蓋骨が、何らかの衝撃や関節の弱さなどにより本来の位置からずれてしまう状態を指します。特にスポーツ中の急な方向転換やジャンプの着地で生じやすく、強い痛みや膝の不安定感を伴うことが特徴です。
1. 主な症状
強い痛みと腫れ
脱臼時に激しい痛みを感じ、短時間で膝全体が腫れる
関節の不安定感
膝に力が入らず、歩行や立ち上がり時にぐらつく
膝の伸展困難
脱臼時に激痛を伴い、まっすぐ伸ばせない場合も
脱臼が戻った後も違和感
再発を繰り返すと、常に膝が外れそうな感じが残ることがある
2. 原因とリスク要因
強い外力やひねり
スポーツの急な方向転換、転倒などで膝蓋骨が外側に押し出される
生まれつきの関節形状や緩さ
10代女性に多く、大腿骨や膝蓋骨の構造により脱臼しやすい
筋力バランスの問題
内側広筋が弱いと膝蓋骨が外側へ引かれやすい
過去の脱臼歴や靭帯損傷
1度脱臼すると、再発しやすい(反復性脱臼)
3. 診断と検査
問診と触診
脱臼の状況や痛みの場所、関節の緩さをチェック
画像検査(X線・MRI)
骨のずれ具合、軟骨や靭帯の損傷の有無を確認
エコー検査(必要に応じて)
軟部組織の状態、血流障害などを簡易に把握
4. 治療方法
脱臼を起こしている場合はまず整復(骨を元の位置に戻す)を行い、以降は状態に応じて保存療法か手術療法を選択。
1. 整復と安静
- 医師が脱臼した膝蓋骨をもとの位置に戻す
- 脱臼防止のためのサポーターや装具を使用
2. 保存療法(軽度・初回脱臼など)
- 炎症や痛みを抑えるための薬、アイシング
- 内側広筋を中心に筋力強化し、関節の安定を図る
3. 手術療法(反復性脱臼や重度損傷)
- 靭帯再建術や骨切り術などで脱臼の原因を根本的に治す
- 脱臼で軟骨が傷ついた場合は、軟骨修復手術を行う場合も
5. 予防と再発防止
適度な筋力トレーニング
特に大腿四頭筋の内側広筋を意識して鍛え、膝蓋骨が外側へズレにくい状態に
フォームや姿勢の見直し
スポーツでの膝の使い方、歩き方の癖を専門家にチェックしてもらう
サポーターの活用
脱臼リスクが高い人は、膝蓋骨を安定させるサポーターを使う
早めの受診
違和感が続く、再脱臼の恐れがある場合は早期に整形外科で相談
加須市 栗橋駅にある「こばやし整形外科」
膝のお皿が外れそうになる、外れた後の痛みや不安定感がある場合は、膝蓋骨脱臼の疑いがあります。当院では、診察と画像検査を通して原因や関節の状態を把握し、必要に応じて装具の使用や手術など最適な治療方法を提案いたします。再発リスクや症状の進行を防ぐためにも、気になる症状がある場合は早めにご相談ください。