肘内障(小児の肘の亜脱臼)について
2歳~6歳の子どもに頻発し、手を強く引っ張ったり転倒時に手をついた際に肘の関節が亜脱臼してしまう状態です。腕を動かさなくなる、下げたまま痛がるなどの症状があり、痛みをはっきり口にできない子どもも多いため、周囲が早めに気づいてあげることが大切です。
1. 主な症状
腕を動かせなくなる
子どもが腕をだらんと下げたまま、動かそうとしない
腕を触られるのを嫌がる
痛みは感じるが「痛い」とは言えず、不機嫌になったり泣き出す
痛みが強い場合もある
まれに泣き叫ぶほどの痛みを訴えるケースも
2. 原因と発生状況
手を引っ張られる動作
親が腕を引き上げた、遊びの最中に大人が手を引っ張ったなど
転倒時に手をつく
子どもが転んで腕に負担がかかり、輪状靭帯がずれてしまう
骨や靭帯が未熟な子ども特有の要因
2~6歳の子どもは関節が柔らかく、外力で外れやすい
3. 診断方法
子どもの腕の様子の観察
腕を下げたまま動かさない、痛がって使わない
医師の触診・問診
痛みの場所、腕を動かせる範囲を確認
画像検査(X線など)
骨折の有無を排除するために撮影するが、多くは骨に異常がない
4. 治療方法
早期に医療機関で整復操作を受けることで、短時間で痛みが軽減・腕の機能が回復することが多い。
1. 医師による整復操作
- 肘関節をそっと元の位置に戻す手技(素人判断で行うと危険)
- 整復後、腕を動かすと痛みが急に和らぐケースが多い
2. 安静・経過観察
- 整復が成功したら通常は安静にし、問題なければ動かしても良い
- 必要に応じてギプスやサポーターで固定する場合も
5. 予防と注意点
子どもの腕を無理に引っ張らない
手をつないで歩くときや遊ぶときも、強い力をかけるのは避ける
転倒などで肘に負担をかけないように工夫する
階段や段差で手を引き上げて支える動作は控える
再発を防ぐ
一度肘内障を起こすと繰り返しやすい。注意して日常動作を行う
加須市 栗橋駅にある「こばやし整形外科」
お子さまが急に腕を動かさなくなった、痛がっているなどの症状が出た場合は、肘内障の可能性があります。早めに医師が整復することで回復が見込めますので、疑いがあるときは速やかに当院へご相談ください。