橈骨遠位端骨折(手首近くの骨折)について
手首の親指側の骨(橈骨)が手首付近で折れる状態を指します。転倒して手をついた際によく起こり、高齢者や骨粗鬆症のリスクがある方、スポーツ中の衝撃によって発生するケースが多いです。
1. 主な症状と特徴
手首の強い痛みや腫れ
転倒直後から痛みと腫れが急速に進行手首の変形
重症の場合、明らかな変形が見られる動きの制限・しびれ
指や手首の動作が制限され、神経症状を伴う場合も2. 原因と発生リスク
転倒やスポーツによる衝撃
手をついて身体を支えようとした際に骨に大きな負荷がかかる
高齢者や女性に多い
骨粗鬆症で骨が弱まっていると、軽い衝撃でも折れやすい
子どもの場合、骨の再生力が高い
不完全整復でも自家矯正力が大きく、手術を要さないことが多い
3. 診断方法
X線検査
骨折の位置・ずれを確認する基本的な手段
CTやMRI(必要に応じて)
骨折が複雑な場合や合併損傷の有無をより正確に把握
4. 治療方法
骨のずれの程度や患者の年齢・活動度によって選択が変わります。
1. 保存療法(ギプス・スプリント固定)
軽度の骨折やずれが小さい場合は固定し、自然治癒を待つ
2. 手術療法
- 骨が大きくずれている、関節に影響を及ぼしている場合に実施
- 経皮的鋼線刺入法、プレート固定(ロッキングプレートなど)
- 術後6〜12か月で金属プレートを抜去するケースもあり
5. リハビリテーション
固定期間中から開始
指の曲げ伸ばし、肩など他部位の運動を行って血行を促進
固定解除後の可動域訓練と筋力強化
日常生活がリハビリの一部となる
定期的な通院も視野に
痛みが続く、可動域が戻らない場合は専門家の指導で運動を実施
6. 注意点と予後
偽関節や変形のリスク
ずれがあるまま癒合すると、長期的な機能障害や痛みの原因となる
早期受診で適切な整復・固定を
放置すると骨癒合が不十分で再手術リスクが高まる
手術後の腱損傷予防
金属プレートを長期間入れっぱなしにしないなど、医師の指示に従う
加須市 栗橋駅にある「こばやし整形外科」
転倒やスポーツ時に手首を強くぶつけ、痛みや腫れが続く場合は、橈骨遠位端骨折の可能性があります。
当院では、医師の診察と画像検査で骨折の程度を把握し、適切な治療計画を立案しています。手首の怪我でお困りの方は、お早めにご相談ください。