斜頸(しゃけい)について
首が片側に傾き、反対側へ向きづらくなる状態です。赤ちゃんから大人まで見られますが、とくに先天性の場合は出生時から首の筋肉が硬くなっていることが多いです。
1. 原因
胸鎖乳突筋の拘縮(筋性斜頸)
生まれつき首の筋肉が硬くなる、損傷する
約90%は特別な治療をせずとも自然に改善する場合がある
骨性斜頸
生まれつき頚椎や胸椎に奇形があり、首が傾いた状態
炎症性斜頸
中耳炎や扁桃炎などの炎症後、頚椎の並び方に異常が起こる
眼性斜頸
眼球運動の筋肉の異常が原因で、首を傾ける姿勢をとる
2. 症状
首が常に一方に傾いている
顔を反対側に向けることが難しくなる
首や肩の筋肉が緊張する
痛みやコリを感じる場合がある
赤ちゃんの場合
- 生まれたときから首の向きぐせが強い
- 6か月以降に気づかれるケースもある(眼性斜頸など)
3. 診断方法
1. 問診・視診
首の傾きの程度や生活習慣、赤ちゃんの場合は出生時の状況を確認
2. 身体検査
首や肩の可動域、筋肉の硬さを調べる
3. 画像検査(X線・MRIなど)
骨や筋肉の状態を詳細に把握し、骨性斜頸などを区別する
4. 治療法
症状や原因によって、次のような方法を組み合わせることがあります。
筋性斜頸のストレッチ・リハビリ
- 赤ちゃんの場合、親がゆっくりと首を反対側に向けてあげる受動的ストレッチ
- 専門スタッフが行う理学療法で筋肉の柔軟性を高める
装具やコルセットの使用
首を適切な位置に保つために、必要に応じて使用
手術
重度の場合や1歳半を過ぎても改善が見られないときに検討
炎症性・眼性斜頸への対処
原因となる炎症や眼の問題の治療が必要
5. 予防・日常生活のポイント
赤ちゃんの向きぐせに注意
片側ばかり向かないよう、抱っこの向きを変えたり、反対側から刺激を与えたりする
姿勢の調整
大人の場合、デスクワークやスマホの使用時間が長いと首に負担がかかりやすい
こりや痛みがあれば早めに受診
炎症性や骨性の問題が潜んでいる場合があるため、専門家の診断が大切
6. こばやし整形外科での対応
当院では、日本整形外科学会のガイドラインに基づいた診療を心がけています。
1. 丁寧なカウンセリング
赤ちゃんの成長状況や日常生活の習慣を詳しく確認し、最適なケアを提案
2. 保存療法を中心とした治療
ストレッチやリハビリテーションなど、症状に合わせて段階的に進める
3. 必要に応じた装具・手術の検討
重度の場合や改善が見られないときは、適切な治療法をわかりやすく説明
4. アフターケアと再発防止
赤ちゃんの姿勢指導や大人の方への生活習慣アドバイスなど、継続的にフォロー
加須市 栗橋駅にある「こばやし整形外科」
首が傾いていたり、向きづらい状態が続く場合は、早めに専門医を受診すると安心です。
加須市 栗橋駅にある「こばやし整形外科」では、一人ひとりの症状に合わせた治療とサポートを提供しています。お気軽にご相談ください。