指の屈筋腱損傷について
手の指を曲げるための腱(屈筋腱)が何らかの原因で断裂し、指が正常に曲げられなくなる状態です。刃物で切ったり、指をドアに挟むなどの外傷が主なきっかけとなる場合が多く、適切な手術とリハビリを行わないと、指の機能を十分に回復できないことがあります。
1. 主な症状
指が曲がらない
深指屈筋腱が切れるとDIP関節(第一指節間関節)、浅指屈筋腱が切れるとPIP関節(第二指節間関節)が曲げられなくなる
痛みや腫れ
外傷時に出血や痛みを伴う場合がある
日常生活に支障
物を握る、持つ、細かい作業などが困難になる
2. 原因とリスク要因
外傷(切り傷・挟み傷など)
刃物で指を切ったり、重いドアに挟むなど強い衝撃による腱の断裂
過度の使用や加齢による劣化
長期間にわたる酷使や加齢で腱が弱くなり、ちょっとした衝撃で断裂することも
3. 治療方法
主に手術による腱の縫合と、その後のリハビリテーションが柱となります。
1. 手術療法
- 断裂した腱を縫合し、骨折がある場合は整復を行う
- 損傷の部位や程度により、具体的な術式が変わる
2. リハビリテーション(早期運動療法)
- 腱が癒着しないよう、術後すぐから適切な運動を行う(Kleinert法など)
- 通常、12週間ほど続けるリハビリが多い
4. 予後と注意点
指の機能回復には時間がかかる
完全回復まで数ヶ月必要な場合がある
術後の再断裂や癒着リスク
無理な負荷をかけないようにし、医師やリハビリスタッフの指示を守る
早めの診断が大切
放置すると指の曲げ伸ばしが戻らない可能性が高くなる
加須市 栗橋駅にある「こばやし整形外科」
指の屈筋腱損傷は、適切な手術とリハビリで機能回復が期待できます。もし指が曲がらない、伸ばせないなどの症状がある場合は、早めに専門医へご相談ください。
当院では、医師の診察を通して一人ひとりの損傷状態や生活スタイルに合わせた治療計画をご提案しています。