成人期扁平足(足のアーチ低下)について
大人になってから足のアーチが崩れ、足が平らになる状態を指し、外反母趾や膝への負担増加など、さまざまなトラブルを招く原因となります。特に中年以降の女性に多く、後脛骨筋腱の機能低下や体重増加がリスク要因です。
1. 主な症状
足の疲れや痛みが起こりやすい
歩き続けると足裏や足首の内側に痛みやだるさを感じる
足の内側のくるぶし付近が腫れる・痛む
後脛骨筋腱に負担がかかり、炎症を起こす場合がある
歩行時の不安定感
アーチが失われ、バランスを保ちにくくなる
足の外見が扁平化
土踏まずの高さが低くなり、足底が地面に密着しているように見える
2. 原因とリスク要因
後脛骨筋腱の変性や断裂(PTTD)
加齢に伴う腱の弱化・肥厚・炎症
体重の増加や肥満
足にかかる負担が大きくなり、アーチが崩れやすい
遺伝的・解剖学的要素
生まれつきの足骨格構造が影響
長時間の立ち仕事や過度な運動
足に繰り返し大きな負荷がかかるとアーチが劣化しやすい
3. 診断方法
視診と歩行観察
足の形や土踏まずの高さ、かかとの傾斜を確認
足圧測定・アーチ効率テスト
アーチ効率が低下し13%を下回ると扁平足と診断される場合がある
画像検査(X線など)
骨格の配列や関節の状態、後脛骨筋腱の変性度合いを把握
4. 治療方法
症状の進行度や痛みの程度に応じて、保存療法から手術療法まで選択する。
1. 保存療法(軽度〜中度が中心)
- インソールやアーチサポート:土踏まずを支え、足への負担を減らす
- リハビリテーション:カーフレイズ、タオルギャザーなど足底筋や後脛骨筋を強化
- 生活指導:体重管理、靴の見直し(安定感のある靴を選ぶ)
2. 薬物療法
痛みや炎症が強い場合、消炎鎮痛薬などを使用
3. 手術療法(重度や保存的治療で改善がみられない場合)
- 後脛骨筋腱の修復や骨切り術によるアーチ再建
- 術後のリハビリが重要で、回復まで時間を要する
5. 予防と日常ケア
適切な靴選び
土踏まずにフィットし、かかと部分が安定した靴を履く
筋力維持と柔軟性向上
日常的に足指やふくらはぎのエクササイズを行う
体重管理
適正体重を保つことで足への過度な負担を避ける
痛みや腫れがある場合は早期受診
放置すると変形や痛みが進行し、歩行が困難になるリスクが高まる
加須市 栗橋駅にある「こばやし整形外科」
足裏のアーチが崩れ、足の疲れや痛み、歩きにくさを感じるなどの症状があれば、成人期扁平足の可能性があります。当院では、足の検査や歩行分析を通じて原因を特定し、インソール調整やリハビリ、必要に応じた手術の提案を行います。足や膝に違和感がある方は、お気軽にご相談ください。