悪性骨腫瘍について
骨に発生する悪性の腫瘍を「悪性骨腫瘍」と呼びます。自分の骨から発生する「原発性骨腫瘍」と、他の臓器のがんが骨へ転移する「転移性骨腫瘍」があります。10代〜20代の若年層に起こりやすいタイプもあれば、40歳以上の中高年に多いものもあり、それぞれ特徴や治療法が異なります。
1. 主な種類(原発性骨腫瘍)
骨肉腫
- 10代〜20代の若者によく見られ、特に膝や肩の周囲で発生しやすい
- 抗がん剤と手術を組み合わせた治療が中心
軟骨肉腫
- 40歳以上の成人に多く、大腿骨や骨盤に発生
- 手術が主な治療で、抗がん剤や放射線治療の効果は限られる
ユーイング肉腫
- 20歳以下の若年層に多く、骨だけでなく軟部組織にできることもある
- 抗がん剤+手術、必要に応じて放射線を行う
骨巨細胞腫
- 中間悪性腫瘍に位置付けられ、再発や肺転移のリスクがある
- 20代前後に発生し、手術が中心だがデノスマブなど薬物治療も行われることがある
2. 症状
痛み
腫瘍が大きくなると周囲の組織を圧迫し、持続的な痛みが生じる
腫れやしこり
発生部位の皮膚の下でふくらみを感じる場合がある
骨折しやすくなる
腫瘍が骨を侵食して骨が脆くなるため、軽い衝撃でも折れることがある
3. 診断方法
1. 問診と視診
症状の出始めや変化の経緯を詳しく聞き、腫れや変形を確認
2. 画像検査(X線・CT・MRIなど)
腫瘍の位置や大きさ、骨の破壊状況を詳細に調べる
3. 生検(バイオプシー)
腫瘍組織の一部を採取して病理検査を行い、最終的な診断を下す
4. 治療法
腫瘍の種類や進行度、患者さんの年齢や体力などを総合的に考慮します。
手術療法
腫瘍を可能な限り取り除き、骨を再建する場合もある
化学療法(抗がん剤)
骨肉腫やユーイング肉腫など、効果が期待できる腫瘍に対して行う
放射線療法
ユーイング肉腫や手術が困難なケースで検討
新しい薬剤(分子標的薬など)
骨巨細胞腫の治療で使用されるデノスマブなど
5. 早期発見と受診の大切さ
痛みの経過に注目
痛みが長引く、夜間や安静時も痛い場合は早めに医療機関へ
腫れやしこりを見つけたら
我慢せず、整形外科専門医に相談すると安心
定期検診を活用
家族や本人の既往歴にがんがある場合は特に注意して検査を受ける
加須市 栗橋駅にある「こばやし整形外科」
骨の痛みや腫れは、単なるケガや成長痛と思いがちですが、悪性骨腫瘍が隠れている場合もあります。早期発見・早期治療が大切です。気になる症状がある方は、専門医へご相談ください。
加須市 栗橋駅にある「こばやし整形外科」は、患者さん一人ひとりに合わせた治療とケアを行っています。お気軽にご来院ください。