強剛母指(きょうごうぼし)について
親指の第一関節(DIP関節)が曲がったまま伸びにくくなる状態で、乳幼児に多く見られる病気です。「トリガーサム」と呼ばれることもあります。原因としては、関節や軟骨の発育が不十分であったり、腱に負荷がかかりやすい要因が考えられます。
1. 主な症状
第一関節が曲がったまま伸ばせない
他動的に伸ばそうとしても抵抗を感じる
親指の根元にしこりや腫れ
痛みは少ない場合が多い
日常動作への影響
物をつまむ、つかむなどの動作がしづらくなる場合がある
2. 原因とリスク要因
関節や軟骨の発育異常
乳児期に骨や軟骨が正しく発達せず、指を伸ばす機能が制限される
遺伝的要因
家族の中に同じ症状の人がいると発症リスクが高まる
腱や腱鞘の炎症
軽い炎症が起こりやすい場合、腱の動きがスムーズでなくなる
3. 治療方法
症状の進行や年齢に応じて、保存療法から手術までさまざまな方法が選択されます。
経過観察(1歳未満の子どもなど)
自然に治るケースもあるため、定期検診で状態を確認
装具療法
- 親指を伸展位で保持する装具を使用し、変形や曲がりを改善
- 夜間のみ装着することもある
手術(重度の場合)
- 関節や腱の状態が進行し、保存的治療で効果がみられないときに検討
- 術後はリハビリを行い、指の可動域回復を目指す
4. 治療費・医療保険
健康保険の適用
強剛母指の治療には一般的に健康保険が適用される
自己負担について
小児医療費助成制度などにより、自治体によっては自己負担が軽減される場合がある
手術費の目安
症状の程度や術式によって大きく変わるが、1~2万円程度が月々の負担の目安になることも(医療制度や保険の負担割合による)
5. 生活での注意点
親指に過度な負担をかけない
無理なストレッチや装具の使い方を誤ると悪化する恐れがある
定期検診を受ける
乳幼児健診などで早期に異常を発見しやすい
痛みや腫れに気づいたら早めに受診
放置すると症状が進行し、治療期間が長くなる場合がある
加須市 栗橋駅にある「こばやし整形外科」
強剛母指の疑いやお子様の指の変形・動かしづらさなどで気になる症状がある方は、早期診断・治療が大切です。
当院では、医師の診察を通して症状や年齢に合わせた最適な治療・リハビリプランをご提案しています。お気軽にご相談ください。