外反母趾(がいはんぼし)について
足の親指が小指側へ曲がり、付け根の関節が外側に突出する状態を指し、痛みや靴ずれなどのトラブルを招く疾患。母趾の角度が20度を超えると外反母趾と診断され、軽度(20〜30度)・中等度(30〜40度)・重度(40度以上)の段階に分かれます。
1. 主な症状と特徴
親指付け根の痛みや腫れ
靴に当たる部分が赤く腫れたり、皮膚に水疱ができる
関節の突出
見た目でもわかるように、親指が小指側へ大きく傾く
靴の履きづらさや歩行時の痛み
狭い靴やハイヒールで症状が悪化することが多い
指先の変形による摩擦・圧迫
靴に当たりやすく、タコや魚の目ができるケースも
2. 原因とリスク要因
合わない靴(特に先が細い靴・ハイヒール)
足指を圧迫し、親指の付け根に負担がかかり変形が進む
遺伝的要因や足の骨格構造
扁平足や柔らかい足底など、体質的に外反母趾になりやすい
生活習慣や歩き方の問題
日常的に長時間の立ち仕事、ヒール靴で外出が多い
女性や高齢者、妊婦に多い
約3割の大人に認められ、女性では5人に1人が悩んでいるとされる
3. 病状の進行度
1. 軽度(20〜30度)
- 親指の傾きが小さく、痛みも軽い場合が多い
- 靴選びを変えるだけで改善することが期待できる
2. 中等度(30〜40度)
- 親指付け根の腫れや赤みが目立ち、靴の圧迫で痛みが増す
- 専用の装具やインソール、足指体操が必要
3. 重度(40度以上)
- 見た目に明らかな変形があり、歩行時に強い痛みを伴う
- 手術を検討するケースが多い
4. 治療方法
変形の程度と痛みの強さに応じて選択。進行を抑え、痛みを軽減することが主な目的。
1. 保存療法
- 靴の見直し:つま先の広い靴、ヒールの低い靴を選ぶ
- 装具(足指セパレーターなど):親指の角度を補正し、痛みを和らげる
- 運動・ストレッチ:足指のグーパー運動や足指体操で筋力を維持
- インソールの使用:足のアーチをサポートし、負担を軽減
2. 薬物療法
炎症や痛みが強い場合に消炎鎮痛薬を使用
3. 手術療法
- 重度の場合、骨切り術などにより親指の方向を矯正
- 術後のリハビリが重要で、回復には数週間〜数か月かかる
5. 予防と日常のケア
靴の選び方が最優先
つま先に余裕があり、足にフィットする靴を選ぶ
足のアーチをサポートするインソール
正しい体重移動を促し、指先を締め付けない
足指体操・ストレッチ
親指を開く、足指でタオルを掴む運動などで筋力を鍛える
長時間のハイヒール使用を控える
ヒール靴を履く場合でも高さを控え、通勤時はスニーカーを使用するなどの工夫
加須市 栗橋駅にある「こばやし整形外科」
足指の付け根が腫れる、親指が外側に曲がってきた、靴選びが難しいなどの症状があれば、外反母趾の可能性があります。当院では、症状と足の状態を総合的に評価し、適切な靴のアドバイスやインソールの調整、必要に応じて手術療法もご提案します。足のトラブルでお困りの方は、ぜひご相談ください。