変形性肘関節症(肘の関節軟骨の摩耗)について
長年の使用や負荷、加齢により肘の関節軟骨がすり減り、骨がむき出しになったり骨棘(こつきょく)が形成されて痛みや可動域制限を起こす疾患。特に中年以降の方、または肘を酷使する職業・スポーツの方に多く見られます。
1. 主な症状
肘の痛み
動かすときや重い物を持つときに痛みが強まる
可動域の制限
伸ばしきれない、曲げにくいなど、肘の動きが悪くなる
骨棘の形成
内側や外側に骨の突起が生じ、関節の動きを妨げることも
しびれが出る場合も
骨棘が尺骨神経を圧迫し、小指・薬指にしびれが現れるケースあり
2. 原因
加齢による軟骨の劣化
年齢とともに軟骨が摩耗しやすくなる
肘の使いすぎ
肘の反復動作を伴う仕事やスポーツ(野球・テニスなど)
外傷の後遺症
過去の骨折や捻挫、脱臼などで軟骨がダメージを受けやすい
3. 診断方法
問診と身体所見
痛みの場所、発症状況、可動域などを確認
画像検査(X線)
関節軟骨のすき間の狭さ、骨棘の有無などを把握
MRIやCT(必要に応じて)
軟部組織や骨の詳細を確認して、重症度や合併症を評価
4. 治療方法
軽度なら保存療法で対応可能。進行度や痛みの強さによっては手術療法も検討。
1. 保存療法
- 消炎鎮痛剤、ヒアルロン酸注射などの薬物治療
- 装具やサポーターで肘への負担を軽減
- リハビリテーション(ストレッチ・筋力強化)
2. 手術療法
- 骨棘の切除や、破片(遊離体)の摘出など
- 関節鏡手術で炎症の原因を取り除く場合も
- 変形が進行し機能障害が大きいときは人工関節置換術を選択
5. 予防と日常ケア
適度な運動で筋力維持
肘を支える筋肉を強化し、関節への負担を減らす
同じ動作を繰り返すときは休憩やストレッチ
長時間の肘の酷使を避け、適度に休憩を挟む
痛みがあるときは無理をしない
早期に医療機関へ相談し、症状悪化を防ぐ
加須市 栗橋駅にある「こばやし整形外科」
肘の痛みや動かしづらさが続く場合、変形性肘関節症の可能性があります。当院では、医師の診察・画像検査を通じて状態を正確に把握し、症状に合わせた保存療法や手術、リハビリプランをご提案しています。肘の不調でお困りの方は、お気軽にご相談ください。